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 第9回福井グレカップ 決勝大会リポート  平成15年6月19、20日 三方町常神
林淳一選手お見事!悲願達成!県勢初の制覇  
 やってくれました悲願達成!6月21、22の両日、福井県三方町の常神(つねかみ)で開かれた第9回福井グレカップ決勝大会(福井県観光キャンペーン推進協議会主催)で地元・福井勢が初の栄冠を手にした。それも、全国のグレトーナメンターが目標とする山元八郎名人を打ち破っての快挙だ。

 同大会は、福井の釣り場を舞台としたグレ釣りの全国大会だ。過去8回の大会を振り返ると宮川明3回、藤原義雄2回、山元八郎1回と3名人で優勝は計6回を数え、上を目指す若手にとって大きな「壁」となって立ちふさがっている。またそれが、賞金総額100万円と併せて、この大会の魅力の一つともなっている。そして、大会を主管運営する福井県釣連にとって、せっかく地元の利があるのだから、1度は福井県勢が優勝カップを手にしたいという熱い願いもあった。結果は冒頭の通り、福井県釣連・若狭磯友会々長の林淳一選手が見事一番高い表彰台に上がり、さらに3位には、林選手と同クラブの浜側真次選手が入ったのだ。

 決勝大会は、大会前日に台風6号が日本海を通過したため、延期も検討されるほど天候が心配されたが、渡船店も驚くほど当日は穏やかな海況となった。開会は前日の大会事務局の判断通り午後1時からとなった。

 大会には予選勝ち抜き者と、シード3人、招待2人の合わせて37人のトーナメンターが出場。抽選で対戦相手が決まり、午後2時半から1回戦が開始、熱戦の火ぶたが切って落とされた。

 この時期、常神周辺の磯で釣れるグレは25a前後がアベレージだから、竿1〜1.5号、ハリス1〜1.2号、グレバリ4、5号のタックルで狙う。ウキは釣り場によって使い分けるが、当たりが渋いため、00〜G2が中心となる。釣れるタナは深くても2ヒロ半までだから、ウキ下は2ヒロ前後から始めればいいだろう。サシエは今回、ボイルはほとんど食わなかったが、オキアミ生、スーパーハード等、ボイルの3種類は用意しておくのが無難だ。なるべくサシエの頭は予め切っておくとよい。そしてなにより、若狭の磯は遠投で釣果が上がる磯が多いから、遠投できるマキエは必須となる。

1回戦では、何と前回覇者の宮川名人が敗れる大番狂わせがあった。ほかのシード選手も姿を消し波乱の幕開けとなった。

明けて22日は2回戦、準決勝、決勝の3試合が行われた。藤原名人は準決勝で浜側選手ら地元の若手選手二人と対戦し、惜しくも敗退した。各選手とも最初から釣りまくり、数では藤原名人が勝っていたと思われたものの、30aクラスを多く集めた浜側選手に軍配が上がった。
 さて、決勝戦は、名実ともにピカイチの山元名人に、福井県勢が挑む格好となったが、林選手は名人に臆することなく自信満々だ。今回の決勝戦では同じクラブから5人が出場、21日夜の懇親会でも「私も含めクラブ員から優勝者を出す」と宣言していた。この自信は、今回会場となった常神はホームグランドではないが、若狭の磯を知り尽くし、釣れるパターンはクラブ員全員が持ち合わせていることから出るのだろう。

 決勝戦の会場は、周囲約3kmの無人島・御神島(おんがみじま)のヨシワラ磯。午後1時半、開始のホイッスルが鳴った。
 本命ポントは、沖に向かって真中だ。ジャンケンで勝った山元名人は、最初から勝負と出たのか真中に陣取った。左に浜側選手、右に林選手。50分で場所交代となる。林選手は最初から絶対の自信を持っている40〜50氓フ大遠投釣法だ。ゼロふかせでウキ下2ヒロ半。サシエはオキアミ生Sサイズで予め頭を切ってある。開始早々、林選手が27、8センチのグレを掛ける。続いて山元選手が30センチ級を掛け慎重にタモに収める。山元名人は、林選手の大遠投を見て「へぇ〜、よく飛びますねぇ〜」などとおどけてみせる。八郎さん特有の「口撃」に苦笑いで耐える林選手。しかし、自信からくる余裕だろうか動揺は見られない。並みの選手なら、この辺で釣りに集中できないだろう。山元名人はクチも一流なら、釣りのテクニックは説明するまでもなく超一流だ。遠投一辺倒の林選手に対し、山元名人は、足元から沖まで幅広く攻める。いつもながら、今回もいろんな「ワザ」を見せてくれる。前半戦で林選手が数で少しリードしたが、まだまだ予断を許さない戦況だ。後ろに陣取る多くのギャラリーにとって、日ごろほとんど見られない「追いかける山元名人」を見ることができたことはうれしい限りだ。

 場所交代で中盤に入ると、本命場に入った浜側選手も良型を取り込んだ。山元名人も遠投で狙い始める。しかし、林選手の飛距離には及ばない。今日のこの磯は、より沖の方で大型が掛かるから、この飛距離の差が釣果に結びついたといっても過言ではない。同大会はグレ10匹までの総重量で勝敗を決するため、対戦者同士が10匹以上釣れる場合は、より大型を釣らなければ勝てないのだ。

 林選手は日ごろの「エサトリにサシエが捕られないところでグレを狙いたいから今の時期は自ずと遠投になる。手前でグレの活性が高いことは沖の方でも高いはず」の持論通り、遠投釣法が冴える。ただ、むやみに遠投しても、グレ釣りの基本であるサシエとマキエを同調することができないと釣果アップは望めない。投入後の張らず緩めずの道糸操作も大切だ。特に大遠投はコントロールが非常に難しいものだが、林選手は仕掛けの投入位置、マキエのコントロールとも抜群の精度を誇っている。その正確さには後ろで見る宮川名人も驚きを隠さなかった。ただ、合わせのタイミングが少し遅いような気がした。がしかし、早すぎると素バリを引かされたり、取り込み時にハリがはずれることがよくあるから、確実に掛けるために、ハリが飲み込まれる事は承知の遅合わせだろう。

 終盤戦では、林選手が本命の真中に入った。ここでも大遠投で次々と良型を掛ける。この辺で勝負あったと思われたが、それでも山元名人は、「肩、腕を痛めていることもあり、今は遠投力ではかなわないから、近くで見える良型のグレを狙った」と言う通り、マキエワークを巧妙に変化させたり、大きなオモリを使用して大量に群がるエサトリの下を狙うなどグレを掛け続けた。その技は一瞬のスキもない。

 浜側選手も最初の緊張が解けたのか、徐々に実力を発揮して良型を追加していった。

 結局、林選手が10匹、5キロ弱の成績で見事、50万円の賞金とともに優勝カップを手にした。山元名人に胸を借りてのまさに価値ある勝利だ。3位の浜側選手のほか、県釣連の2人が上位に入った。

 決勝大会全体を振り返ると、さすがに激戦を勝ち上がってきた有望選手が多いだけに、レベルの高い白熱した試合が繰り広げられた。釣果なしはほとんど見られず、ジャンケンで決した試合は皆無だった。

藤原名人からも「優勝はできなかったが、大変よく釣れたから満足している。いい大会だった。決勝戦も見ごたえがあった」と称賛していただいた。

 台風の影響で開催が危ぶまれた決勝大会だったが、無事終了することができた。前日の2mを超す荒波が急激におさまったのは誰もが驚いた。そして、悲願の福井県勢の初制覇。常神の「神」伝説が蘇ったような大会でもあった。

(成績)
優 勝  林 淳一 4990c(高浜町)
準優勝  山元八郎 3430c
3 位  浜側真次 1675c(小浜市)
4 位  三木浩生 (上中町)
5 位  生駒浩史
6 位  小谷博文
7 位  藤原義雄
8 位  中川邦宏(福井市)
9 位  疋田友宏

(優勝した林選手の仕掛け)
竿   がまかつGV1.25号
リール ダイワLBZ2000番
道糸  1.5号
ハリス 1号
ウキ  0号
ハリ  グレ4号
ウキ下 2ヒロ半
※ 完全ふかせ、道糸とハリスはサルカンで接続
※ ウキ上約30誘導

 (マキエ)
オキアミ 3キロ×2 イワシパワー、グレ遠投ふかせ、グレ遠投各1袋




提供「福井県釣り連盟」



continentaltangoperu.com